嫁いだ当初は料理が苦手で

和田明日香さんの『10年かかって地味ごはん。』は発売前から20万部を突破した料理家・和田明日香さんのレシピ本。和田さんは「10年前、結婚当初は料理をしようともしたいとも思っていなかった。大変な家に嫁いだなと…。家族に育ててもらい、家族を育ててきた私の料理は〈名もなき地味ごはん〉。全体に茶色なので、世の中に出していいのかと思ったのですが、この本を出せて自信になった」と受賞の喜びを語った。

受賞の喜びを語る和田明日香さん

授賞式後の囲み取材では、息の合ったトークを展開。

平野さんが「あーちゃん(明日香さん)は最初は料理が苦手だったけど、子どもができてどんどんうまくなった。自分では学費も何もかけていない、ぜーんぶできあがったいい嫁がタダで来てくれて幸せ。しょっちゅうごはんを食べに行っています」と言うと、和田さんは「タダより怖いものはないですよ」と応酬。「母のエッセイを読んで、こんなに大事に育てられたんだから、夫を大切にしなければ、と思いました」と答えた。

嫁姑で仲のいい秘訣を聞かれると、「お互い忙しく、自分の好きなことを一生懸命やっているのでうまくいく」と平野さん。明日香さんは「私は山の裾野にずっといて、頂上の母の姿は全然見えません。母の豪快な料理はテレビ向けのパフォーマンスで、家では実は繊細な料理をしています」と料理の先輩に敬意を表した。時には上野樹里さんを交え、嫁と姑3人で女子会もするそう。

平野さんは3年前に夫の和田誠さんが他界。明日香さんが「母は一人だと栗とか芋でおなかをふくらませてしまうので、もう一度料理のモチベーションを取り戻してほしい」と心配する場面も。平野さんは「みんな女性は長生して最後一人になるんだから、そんな人のためにレシピ本を作ろうかな」と今後の抱負も語った。

料理界の大先輩に緊張気味の天野さん

 

◆平野レミ:料理愛好家、シャンソン歌手。主婦として料理を作り続けた経験を活かしNHK「平野レミの早わざレシピ」などテレビ、雑誌を通じて数々のアイデア料理を発信。また、レミパンやエプロンなどのキッチングッズの会月も手掛ける。著書に『ド・レミの子守歌』(中央公論新社)、『家族の味』(ポプラ社)など。

◆和田明日香:料理家。食育インストラクター。東京都出身。3児の 母。料理愛好家・平野レミの次男と結婚後、修業を重ね、食育イン ストラクターの資格を取得。現在では、企業へのレシピ提供やテレ ビ朝日「家事ヤロウ!!!」などのメディア出演ほか、“食育”をテーマ にした講演会やイベント出演など幅広く活動する。