平野レミ「料理の腕が上がったのは夫と子どもがいたから」(写真:『家庭の味』《著:平野レミ 絵:和田誠/ポプラ社》より)
料理愛好家でシャンソン歌手の平野レミさん。 テレビなどで楽しく料理を教える姿をよく拝見しますが、そもそもなぜ教えることになったかと言えば、すべてはイラストレーターである和田誠さんとの結婚にあったと言います。さらに言えば、子どもが生まれたことは食べ物を真剣に考える糸口になったそうで——

あのレミが料理を人に教えるなんて!

私がテレビの料理番組に出たり、料理の本を出したりし始めた頃、「ええっ!」てびっくりした人が多かったみたいです。私は歌手でもあるけど、それ以上にテレビやラジオでギャーギャー言うタレントだと思われていたから「まさかあのレミが料理を人に教えるなんて」と不思議がられたのね。

でもわかる人はわかるんですよ。

夫も私と知り合う前は「おかしな歌手だな」と思ってたらしいんだけど、はじめてデートした日にしゃぶしゃぶ屋さんでご飯を食べたの。そのとき私が店員さんに、出てきたたれについて何か質問したんですって。私は憶えてないのよ。でも夫はそれで私が料理に興味がある人だと思ったって言うの。いい奥さんになれそうだって。