『愛の不時着』を代表作に持つヒョンビン。任務とそれ以外のときではアクセントを変えるなどし、北朝鮮の将校のリ・ジョンヒョクを演じきっていました(写真提供:Photo AC)
2020年の新語・流行語大賞にノミネートした「第4次韓流ブーム」。ブームの背景には、すっかり日本でも定着した韓国ドラマの存在がありました。韓国の歴史・文化・韓流や日韓関係を描いた著作を持つ作家の康熙奉さんによれば、韓国ドラマを彩る男優たちにはファンから愛されるだけの背景を持ち合わせていると言います。たとえば『シークレット・ガーデン』『愛の不時着』を代表作に持つヒョンビンはその典型だそうで――。

『愛の不時着』のメガヒット

「孤高のヒョンビン」。

そんな高貴な雰囲気を漂わせていた彼は、かつて『シークレット・ガーデン』で大衆性を大いに発揮して大ヒットを飛ばしたように、今度は『愛の不時着』で北朝鮮の軍人を凛々しく演じて、自身最高のメガヒットを成し遂げた。

実際、ヒョンビンが扮したリ・ジョンヒョクは、彼が演じてきたキャラクターの中でも印象度が特別な役柄だった。特に、北朝鮮の方言を巧みに話した。

彼には、かつての作品で北朝鮮の刑事を演じた経験があった。それは2017年の映画『コンフィデンシャル/共助』だ。

この作品でヒョンビンは、悪の組織によって愛する妻や同僚を失ってしまった北朝鮮の刑事チョルリョンに扮していた。