メリハリのある演技
ヒョンビンはこう語っていた。
「以前、『コンフィデンシャル/共助』で北朝鮮の特殊部隊の刑事に扮したことがありますが、『愛の不時着』のリ・ジョンヒョクの場合は、軍人的な部分よりはそれ以外の姿をたくさん見せていました。そのあたりは大きく異なっていました」
このように、同じく北朝鮮の男性を演じても、人物像には大きな違いがあった。
実際、北朝鮮の刑事を演じた経験はプラスになっていたが、リ・ジョンヒョクを演じるにあたってヒョンビンは、北朝鮮での生活の中で日常的なふるまいを自然に表現しようと心掛けていた。
そこがリ・ジョンヒョクの魅力的な部分であったことをヒョンビンもよくわかっていたのである。
それゆえ、北朝鮮の将校とはいっても任務に就いているときよりアクセントを変えて、ヒョンビンは日常のリ・ジョンヒョクを演じきっていた。
こうして、『愛の不時着』での彼の演技は、とてもメリハリがあるものとなった。ヒョンビンも楽しみながら撮影を続けることができた。