自民党の政策に盛り込まれた「家庭長」という役割

研究を続けるなかで、多くの女性国会議員、とりわけ自民党の議員には、当時の私と同じように生きている人が少なからずいると気づきました。派閥の長など先輩男性にかわいがられ、後ろ盾を得て、引き上げられるケースが多い。

また、政治の世界では、「地盤・看板・カバン(お金)」がないと立候補できないのが現実です。女性の場合、自民党で公認を取りやすいのは、たとえば議員の父親や夫が亡くなった際の〈弔い合戦〉。また、タレント候補者の場合は、ファンという地盤と看板を持っています。でも、いくら志があっても、いわゆる〈普通の女性〉にとってはハードルが高すぎます。

加えて男性国会議員の場合、会期中は夫に代わって妻が地元のお祭りや結婚式に顔を出したり、あいさつ回りをするなど、「内助の功」を発揮します。そういう存在を持つ女性はなかなかいない。家事や育児、介護を背負いながら政治に参加したいと思っても、道が切り開けません。そんな社会環境が、女性議員の限定を生んでいるのだと思います。

その背景にあるのが、女性を家に従属する構成員とみなしてきた自民党の女性認識だと、私は考えます。1950年代、政府に近いところで妻の立場を表す「家庭長」なる言葉が作られ、その後70年代には自民党の政策に盛り込まれて、驚愕しました。

これは女性は妻として、母として、ときには娘として、家庭内の安全保障を担う重要な役割があるという認識です。夫は外で働き、子育てと親の介護は妻の役目。そうやって家庭内の安全保障を保てば、国の福祉予算が減らせるということで、その代償を「家庭長」である女性に押しつけたわけです。