“子供は何をしても清い”という思想

なぜこんな文化が生まれたかと言うと、日本人は“幼い”という言葉に、純粋さや尊さみたいなものが凝縮されているという幻想を抱いているからではないでしょうか。

『近づいてはいけない いい人 - 一億総サイコパス社会の歩き方』(著:シークエンスはやとも/発行:ヨシモトブックス  発売:ワニブックス)

そして、学生の存在もまた、清く捉えすぎているのだと思います。

つまり、学生や幼い子供たちは、過ちを犯しても、努力を重ねた末に失敗をしても、何をやっても美しいと捉えてしまう。ある意味、“子供は何をしても清い”という思想が、根付いているのかもしれません。

そうなると、大人は世間ずれして汚い、大人はずる賢くて悪いという構図も成り立ちます。

大人の社会に、純粋さや清らかさを持っている人はいないという思考になり、だからこそいつまでも無邪気で、少年少女のような感覚を持った大人が魅力的に見えるのかもしれません。