コウ 家事分担がうまく回っている海外の家庭をみると、テーブルセッティングや洗いものをするなど、《料理をしない人》の役割があるんですよ。使い終わった調理器具を洗ってくれたら、それだけでも作る側はすごく助かりますよね。

ごはんを作る、洗濯をするなどメインの作業は無理だとしても、そうした協力体制を日本の男性もうまく身につけられないものかと思っているんですけれど。

酒井 なるほど。子どもの頃から参加意識を持つことが大切そうです。

コウ 僕は、男性だけの料理教室や会社役員だけの料理教室もやっていたのですが、みなさん「料理って大変だね!」と言います。自ら経験して、はじめて家事・料理の大変さを理解できるのですね。「俺が洗いものをやったら、妻は楽になるかな? 喜んでくれるかな?」とおっしゃる方もいました。

普段家事をしない夫が、謙虚に妻から学ぶ姿勢を持つことで、お互いの関係性や、家庭の空気も穏やかに素敵になるはず。だから、仕事以外で家族や妻のために何かできる喜び、貢献できる幸せがあるということをもっと知ってほしいなと思います。

酒井 そのお年になってからの成長は、きっと新鮮ですよね。

コウ パリで出会った女性が、「家で料理ばっかり作っていたら、私のサンシャインが輝かないじゃない。私が輝いてこそ、家族が輝くのよ」と言っていたんです。まず自分自身が幸せになることが最優先、という考え方にガツンとやられました。

女性だけが「やらねば」というプレッシャーを感じ続けるのはやっぱり問題ですから、解決策をこれからも探っていきたいと思っています。

酒井 「自分がしなくては」という思い込みを女性が手放したら、自分だけでなく家族のサンシャインも輝き出しそうです。