世間の意見に惑わされずに、自分の意志で
――アンケートに寄せられたコメントを見ても、「自然な老いに任せて、自分らしくいたい」「自然体でいられるようになり、気持ちが楽になった」など、グレイヘアに共感する意見が目立ちます。でも、実際に「グレイヘアを目指している」人はわずか3%。この結果は、どう思われますか?
「今回の回答者は30~50代の現役世代の方が多かったので、『まだ早い』と感じていらっしゃるのではないでしょうか。でも、『グレイヘアを目指している人』と『白髪を気にしていない人』『放置している人』を合計すると67%になりますからね。それぞれの方がどんな心境でそう答えたのかを、もう少し詳しく聞いてみたいところです。
また、本当はグレイヘアにしたいと思っていても、『若く見せたい』と周囲の目を気にしている方がやはり多いという印象です。髪の色の変化は目に見える老化現象ですから、白髪が増えると、やはり『老けた』感が否めない。ある白髪の女性経営者が銀行に資金を借りに行ったら、断られてしまったという話もあります。
ただ、顔とのバランスを見て、黒々とした髪が顔年齢と合っていないと、違和感が出る場合も。
女性の場合、自分がグレイヘアにしたいと思っても、『夫から反対された』『おばあちゃんみたいと言われて、子どもがかわいそう』という理由で諦めてしまう方が多いようですね。」
――その壁を乗り越えるには、どうしたらいいのでしょうか?
「私は、何がなんでもグレイヘアにしたほうがいいと思っているわけではありません。染め続けていたいと思うなら、それでもまったく構わない。でも、もし、自分が本当に白髪を染めるのをやめたいのなら、夫や子ども、世間の意見に惑わされずに、自分の意志でグレイヘアを選んでほしいと思います。とくに、60代以上になったら、『**さんの奥さん』『**ちゃんのお母さん』という肩書からも自由になっている方が多いでしょう。職場でのポジションも若い頃とは違っているはず。今までは、『主人に聞いてみます』と、夫の意見に従っていた方も、『これからは何事も自分の意志で決めていく』という強い意志を持てば、自信を持ってグレイヘアにできるのではないでしょうか」