白髪染めから解放されて、精神的にラクに

――アンケートの回答を見ると、「黒染めからの移行期間が長くて、挫折した」という意見もあります。

「確かに、移行期間はやっかいです。いきなり染めるのをやめるのはハードルが高いので、美容室に行き、プロに相談するといいですね。最初はメッシュっぽく染めるとか、色のつくトリートメントを使うなどして、じょじょに移行していく方がスムーズです。そのうち、自分や周りの目も慣れ、気持ちも追いついて、グレイヘアにする覚悟ができるはず。

『真っ白になったら白髪染めをやめる』とおっしゃる方もいますけど、100%白髪になる方は実は少ない。人によって白髪が生える場所も量も違うので、実は《白》より《グレイ》の期間が長いのです。だからこそ、自分なりのグレイヘアを楽しんでほしいと思います」

――グレイヘアにしても、老けて見えないようにするにはどうしたらいいのでしょう?

「服やアクセサリー、メイクなど、おしゃれの手抜きをしないこと。白髪が増えるとどうしても顔の印象がぼやけてしまうので、私もグレイヘアにして以来、大きなピアスやビビッドな色の口紅をつけるようになりました。それまでは滅多に身に着けることがなかった赤い服も着るように。黒髪のときには似合わなかった色が似合うようになるので、おしゃれもどんどん《攻めて》いくのがいいですね」

黒髪のときには似合わなかった色が似合うようになるので、おしゃれの幅も広がる(写真提供:依田さん)

――「人生100年時代」と言われています。グレイヘアで生涯現役を目指す人は、今後ますます増えていくのでしょうか?

「高齢でも働く人や、アクティブに活動する人が増えているので、グレイヘアで社会に積極的に参加する人たちがどんどん増えてくると思います。私自身もそうですが、1度グレイヘアにしてみると、もう元には戻りたくないと感じます。残りの人生、髪を染めて若く見せようとするよりも、もっと大事な時間やお金の使い方がある。

常にのびかけの白髪や、白髪染めのことが気になる強迫観念から解放されて、精神的にも本当にラクになりました。白髪染めにお金がかからなくなった分は、美容室でのトリートメントや洋服、アクセサリーなどに使えるように。やりたくもないことにお金を使うのではなく、自分がハッピーになれることにお金を使えて、前向きになれたと感じます。

 やはり、一番大事なのは自分の気持ちです。『してみたい』と思ったら、周囲の目は気にせずに、1度試してみたらどうでしょう。しっくりくれば続ければいいし、合わなければやめればいいだけ。グレイヘアにしてみることで、自分がどのように年を重ねていきたいのかを考えるいい機会になると思います」

この記事は、Yahoo!ニュースを通じ実施したアンケートの結果を利用しています。
アンケートは全国のYahoo!JAPANユーザーを対象に2022年8月に実施しました。