(イラスト:山崎のぶこ)
吉沢亮さんが月9初主演する『PICU 小児集中治療室』(フジテレビ)が10月10日(月)にスタートします。医療監修の浮山越史氏によれば、「小児医療は大切なのに全国的にみるとまだ不十分なところもある」とのこと。すべてが小さく繊細で、強い薬も使えない小児医療の難しさ。すべての子どもたちが高度な医療の恩恵を受けるようにとの願いを込めて作られたドラマだそうです。かなあやみさん(仮名・愛知県・パート・46歳)は、一瞬の不注意で長男が大けがをしてしまい、早産で次男を出産したこども病院に駆け込んで――。

「子宮は血の海ですが赤ちゃんは元気です」

30歳で次男を妊娠、長男の子育てに忙しくしながらも平凡で幸せな毎日を過ごしていたある朝のことでした。玄関に新聞を取りに行ったその瞬間、太ももを液体が伝う感触が。目をやると、血が脚を流れています。急いでトイレに入り、生理用ナプキンをあてましたが、何枚使っても溢れた血が脚を伝っていく。なす術もなく、立ちすくみました。

夫を起こし、1歳半の長男を抱きかかえて、通院している病院へ。ダメかもしれない、と覚悟をしたのをはっきり覚えています。

主治医から告げられたのは、「入院と絶対安静が必要です。ベッドで3ヵ月過ごしてもらいます」。頭が混乱し、ただ呆然。出血はなかなか止まらず、忙しく立ち働く看護師さんの姿にようやく状況を理解し始めた頃、突然お腹が痛くなり、排泄感をもよおしたのです。看護師さんに、「すいません。排泄したくなったのですが……」と言うと、「それは排泄じゃないわ。陣痛かも」と、急いで先生を呼びに行きました。

診察の結果、胎盤剥離と切迫早産とのこと。「子宮は血の海になっていますが、赤ちゃんは元気です。早急に取り出しましょう」と、産科の医師4人と、こども病院から応援にいらした医師のもと緊急手術になったのです。

帝王切開の末、大きな産声が。次男は1504グラムの超未熟児で、7ヵ月目の最終日にこの世に誕生しました。母子対面は2秒ほど。次男はすぐさま保育器に入れられ、こども病院の集中治療室へ搬送されて行きました。