入院4日目に外出許可をもらい、こども病院で2度目の対面。保育器をのぞくと、小さな体にいくつもの管が。自然と涙がを伝っていきます。抱かせてもらうも、あまりの小ささと軽さに「ごめんね」と謝るだけで精いっぱい。胸が苦しくなりました。

1ヵ月後、体重が2000グラムに到達し、ようやく退院。1年間は毎月通院しつつも、わが家は家族4人の日常生活を始めることができたのです。ところが、無事に1年が経過して次男の通院が終了し、ほっとしたのも束の間、次なる悲劇に見舞われるとは、夢にも思いませんでした。

 

「ドスン!」と鈍い音

お散歩中、長男が高さ80センチほどの石垣に登りたいとせがみました。登らせて腰を支えていたら、次男のベビーカーからひざ掛けが落ちたのです。じっとしているよう言い、少し離れた瞬間、「ドスン!」と鈍い音が。長男は地面に落下していました。

泣きもせず立ち上がりましたが、その左肘がありえない方向に向いています。ちょうど目の前に病院があり、一刻も早くという思いで中へ。レントゲンの結果は、「上腕骨顆上骨折」。すぐさま入院して、腕を牽引することになりました。それからが地獄です。小さな手をつり上げ、痛みと闘い寝ているしかない。痛み止めを頼んでも、幼児にはまだ飲めない錠剤しかないと言われるのです。

しかも、手術内容を聞いて言葉を失いました。骨をむき出しにして牽引するというのです。私は「手術同意書にサインはできません。転院させていただきます」と医師に告げました。