セール品だとしてもお金で買ったことは確か

「資格を取って片づけでお役に立ちたい」という念願が叶ったのは2017年でした。整理収納アドバイザー1級を取得してホームページから少しずつご依頼をいただくようになり、今日まで400軒以上、実にさまざまなお宅にうかがってきました。

もちろん家の間取りも、家族の状況も、歩んでこられた人生も1軒1軒ちがいますから、私にとってはすべてが生きた実例であり、貴重な勉強の場であり、真剣勝負でもあります。

『井田家の40年 暮らしとお金のありのまま』(著:井田典子/婦人之友社)

「うちは収納が少なくて」とおっしゃる方の多くは、収納スペースに使い切れないほどのストックがぎっしりと詰め込まれて、見ているだけで過呼吸になりそうです。

「切らしちゃうのが心配で、ドラッグストアやスーパーの赤札はとりあえず買っておこうかと」「新製品が出ると何だか気になって」「ラップ1本よりまとめ買いの方が安いじゃないですか……」「今だけ限定販売! って買わなきゃ損って思いません?」

ほとんどストックを持たない私にとって、そんなお宅はまるでミニドラッグストア。セール品だったとしてもお金で買ったことは確かですから、かなりの出費をされているはずです。

消耗品ならまだしも、食品の場合は賞味期限との駆け引きもあります。冷蔵庫にまだ使い切れていないものがあるうちにたたみかけるように買い物をして、わざわざ古くして食べるという悪循環にもなるわけです。