「必ずよくなる」という希望が待っている

そういう方々には、まずはしっかりと現状を受け止めてもらい、希望を確認したうえで、これからのスタイルを提案します。

片づけに正解はありませんが、小さな「よどみ」を1つずつ取り除くことで、暮らしが川のようにスムーズに流れる喜びを分かち合えるのは、何より楽しいことです。

井田さん宅のキッチン。地形に沿って開口部が斜めになっているため、床面にリズムが。キッチンマットは敷かないで、床のラインを楽しんでいるそう(写真:『暮らしとお金のありのまま』より)

ただ、実際に暮らすご家族の考えもありますから、必ず相談しながら進めてくださいとお願いしています。私ができるのは、小さな風穴を開けることだけかもしれませんが、それをきっかけに家族でコミュニケーションが増えて関係がよくなったと聞くのはうれしいものです。

ため息交じりに「片づかないんです」と聞くと、すぐにでも飛んで行きたくなるのは「必ずよくなる」という希望が待っているからなんですね。

※本稿は、『井田家の40年 暮らしとお金のありのまま』(婦人之友社)の一部を再編集したものです。

【関連記事】
片付けの達人・井田典子 家計を<雰囲気>でなく明確な<数字>で表すことのメリットとは。「お金がない」という抽象的な言葉は子どもの視界を黒く塗りつぶす
片付けの達人・井田典子 なぜ私のセミナーは片付けのノウハウ紹介だけで終わらないのか? モノを整理したいのなら、まずは「お金」と「時間」の整理から始めよう
年末年始こそ食器の片づけにもってこいのタイミング!「手放しやすい食器の2大特徴」をもとに、いつ来るかわからない日のためのお皿は減らす

井田家の40年 暮らしとお金のありのまま』(著:井田典子/婦人之友社)

どうしたら、住まいも心もめぐりのよい暮らしができるでしょう。400軒以上の「片づけ訪問」で「モノのよどみはお金のよどみ」と、その解決法を伝授してきた井田さん。連鎖し、循環しているモノと時間とお金の整え方を丁寧に紹介します。「終活より今活」と60代を前向きに生きるための新たな提案も!