三人の子どもたちに付けさせていた「こづかいちょう」(写真:『井田家の40年 暮らしとお金のありのまま』より)
毎月のように収納本が発売されるなど、数年にわたって続いている「片づけブーム」。これまで400軒以上の片づけを手伝い、NHK総合テレビ「あさイチ」にも出演した《片付けの達人》井田典子さんも沢山の家を訪問しながら、解決法を伝授してきました。「モノのよどみはお金のよどみ」との視点に立つ井田さんいわく、「特にお金を《数字》ではっきり示さないことが、様々な問題につながっている」そうで――。

広島での実家の話

広島の実家では父方の祖父母と同居していたので、弟を含めて6人の暮らしでした。

明治生まれの祖母は、お金のことを話題にするのは品がないという感覚の人で、母が家計簿を開いていると「ケチくさいことするんじゃない」と嫌がりました。

母と私の家計簿。左が母、右が私の1 冊目。母は半世紀以上、私は結婚式の当日から今日までつけ続けています(写真:『井田家の40年 暮らしとお金のありのまま』より)

当時、祖父母には年金や恩給もあったはずですが、生活費はもちろん本家としての親戚づき合いの交際費まで、公務員の父の給与に頼っていて、かなりの負担になっていたと思います。