ヨーロッパ公演もまたチャレンジしようと思っています。次なる目標はヨーロッパに歌舞伎の劇場をつくること。ダンサーや役者を対象とした歌舞伎のワークショップもやりたいですし、歌舞伎の演出を学んだ現地の人とコラボして「ユーロ歌舞伎」も実現させたい。
僕、「ル・モンド・エ・プティ」という言葉が大好きなんですよ。世界は小さい。いまも戦争が絶えず起きているのは悲しいことですが、文化には国境を超え、人を繋ぐ力があると信じています。
僕自身、歌舞伎俳優としてはまだまだです。吉右衛門さんに、いつかもっとうまくなれば背の高さを生かせるようになると言っていただきましたけれど、自分の舞台写真や映像を見ると、なんだかまだバランスが悪い。それを死ぬまでかけて克服していきたいと思っています。
勘三郎さんと飲み歩いていたころは「体調なんてそんなモン、気ぃ使ってどうすんだよ」みたいな話をよくしてましたけど、この歳になると、もうそんなことを言っていられませんね。
芝居のためなら、お酒もほどほどに。65を過ぎて、やっと大人の考え方ができるようになりました。
坂東彌十郎さんの記事が掲載されている『婦人公論』11月号は10月15日発売!