身のまわりのあらゆる商品で続く「値上げ」。多くの専門家が今回の物価上昇は一時的なものではないと考えているそうで――(写真提供:Photo AC)
2022年、身のまわりのあらゆる商品で続く《値上げ》。帝国データバンクの発表によれば、この10月に値上げした品目数は6700にまで達しており、もはや「インフレ」の様相を呈しているとも。一方、経済評論家・加谷珪一さんは、社会が「デフレ」を問題していた数年前から、現在の情勢を予測していました。さらに加谷さんは「円安という特殊要因が加わる日本では<不況下のインフレ=スタグフレーション>に陥る可能性がきわめて高い」と警告しており――。

日本でいよいよ顕著になってきたインフレ

長くデフレ(=デフレーション。物価の継続的下落)が続いてきた日本でも、いよいよインフレ(=インフレーション。物価の継続的上昇)が顕著になっていることは、みなさんよくご存知でしょう。

今回の物価上昇の直接的な原因は、原油価格の高騰やロシアによるウクライナ侵攻、あるいは円安などですが、それだけではここまで大規模なインフレは発生しません。

一連の物価上昇には、全世界的な需要拡大と量的緩和策によるカネ余り、米中対立による物流網の混乱など、さまざまな要因が複合的に絡み合っています。