「覚悟」したらとても気が楽に
実は私は掃除が上手ではなく、好きでもありませんでした。
でも主婦なのだからさぼってはいけない、できるだけのことはしなくては子供の教育上も悪いし、掃除能力を磨かないと老後ごみ屋敷の住人になってしまう、と及ばずながら努力してきました。
ところが70歳ごろから「もういいか」とお掃除をしてくださる方にお願いすると驚くほど気持ちが楽になりました。もっと早く若くて忙しいときに手放しておけばもっと長い間心安らかに過ごせたのではないかと思います。
人には得意なこと、不得意なことがあります。
私は原稿やあいさつなど頼まれたことを引き受けて忙しくなってもどんどんこなしますが、自分で頼みごとをするのは本当に下手です。一方、仕事で成功している女性の多くは、モノを頼むのがうまいのです。
これは一つの能力でどの相手なら頼みをきいてくれるか見分ける、断られても落ち込まないで別の人に頼むということが自然にできるのです。
しかし自分はこの分野の才能はない、その才能があったほうがいいけれどないものはない、これで生きていくより仕方がないと「覚悟」したらとても気が楽になりました。