人生も後半になったら、重要度の低いことはあきらめてもいい(写真提供:Photo AC)
男女同権、多様性が尊ばれる現代。しかし現実には非正規雇用や望むキャリアを積めていない女性は多く、老後資金に不安を覚える人も。昭和女子大学総長・理事長を務める坂東眞理子さんいわく「1978年に初著書で女性の権利や立場について執筆したが、40年以上経った今も、変わらず介護や家事に、あまりに多くの時間を奪われている」と言います。そして女性たちの新しい生き方を模索する上では「人生も後半になったら、重要度の低いことはあきらめて」とのことで――。

自分に鞭打つ手を休めてもいいのでは

50代の女性の周囲には頼ってくる人や、世話をしてくれと要求する人はいても「今まで本当によく頑張ってきたよね」と言ってくれる人はあまりいません。

でも曲がりなりにも今までどんな困難があっても自殺もせず、病気にもならず、あるいは病気から回復し、自分なりに精一杯に働いて生き抜いてきました。

少しだけ「もっと頑張れ、頑張れ」「このままではいけない」と自分に鞭打つ手を休めてもいいのではないでしょうか。

そして自分は、日常的にこなしている仕事の中で何が得意で好きか、何が苦手で嫌いかちょっと見まわしてみましょう。

女性だからこの程度の家事はしなければならない、母親なのだから子供の面倒をみなければいけないと自分に鞭打ってきたのではないでしょうか。自分が不得意なことを手放すと気持ちがとても楽になります。