「延命治療はしない」と日頃から家族に伝えて

6年前、母が他界したのを機に夫婦で「エンディングノート」を購入しました。

大切なのは預貯金や不動産といった財産について書き残しておくことですが、私の場合は簡単に終了。「妻に一任します」と書き込んだだけです。

次に大事なのは終末期医療のこと。私は、職業柄「延命治療はしない」と日頃から家族に伝えていました。医師として診療にあたりながら、治る見込みのない人が抗がん剤で命を引き延ばされたり、点滴やチューブで無理に栄養を投与されたりすることに意味を見出せずにいたのです。

それに現代では、痛みのコントロールさえできれば、死を迎える直前まで活動することも不可能ではありません。私も「自宅で最期の時を迎えたいな。だとしたら、在宅で緩和ケアや看取りをしてくれる医師に頼んでおかなくては」といった具合に、今の自分がすべきことを明確にしていきました。

また、食事や水分をとれなくなったら1週間以内に息を引き取ることが多いなど、死に至るまでの過程や兆候を家族と共有しておくことも大切です。

私の周囲にはおひとりさまの友人もたくさんいますが、在宅での最期を望む場合、看取りの医師、身の回りの世話をしてくれるヘルパーさんなどをあらかじめ手配しておく必要があると伝えています。