視界が広くて、優しくて、奥深い脚本

主人は舞の友だちである貴司から「なぜ詩を書くのか」とたずねられて、こう答えます。

「生きていくいうのはな、大勢で船へ乗って旅するようなもんや。みんなが船の上でパーティーしてる時、おっちゃんは息苦しなる。それで冷たい海飛び込んで底へ潜っていって、そこに咲いてる花必死でつかみ取って、船の上へ戻ってくる。そしたらしばらくは息できんねん。その花が詩ぃや」

それこそ朝ドラの主人公がなりがちなパーティの中心近くにいる人、それだけでなく、古本屋の主人のようにパーティが苦手な人、もしくは中間あたりにいる人、さまざまな人がこの世界にはいる。

古本屋の主人のセリフ一つとっても、優しさや奥深さが伝わってくる(イラスト:タテノカズヒロ)

そのことを伝えようとする、視界が広くて優しくて、奥深い脚本になってて。一見シンプルでも全然そうじゃないから、見ごたえがあるんですよね。