「いい人仮面」はいつか外れる

人が本当につらいときや苦しいとき、家族に最も望むのは、ただそばにいてくれることではないでしょうか。何も聞かず、黙って一緒にお茶を飲むだけで、十分心が安らぐはずです。

もし「ご飯を食べたい」とお願いされたら、「よし、食べよう」と一緒に食べればいい。頼まれてもいないのに、「アレいる? コレいる?」とうるさく言ったら、相手はかえって疲れてしまうでしょう。

(イラスト◎大野舞)

グチはただ聞いてあげる。あとは「いるだけで良し」。それが相手のためを思う幸せぐせです。サポートするのが悪いとは言いません。けれど私の知る限り、そのサポートは相手のためではなく、自分のためである場合が多いように思います。病気の家族をサポートしない冷たい人だ、と世間から思われたくない。病人のためにアレもした、コレもしたと自分が納得したい。そんな気持ちが見て取れるのです。私はこれを、いい人だと思われたい「いい人仮面」と言っています。仮面は、いつか外れるもの。「親身にサポートする」と言っていたわりに、相手が「もっとアレもして、コレもして」と要求してきたら、「なんで私がそこまでしなければいけないの?」と不満を言い始めるのです。そうなると、お互いが不幸。

自分勝手な都合でサポートされることほど、相手側にとって迷惑なことはありません。ならば初めからカウンセラーや介護士など、プロに頼むほうがずっといいのです。