(イラスト◎大野舞)
スピリチュアリストとして、さまざまな角度から読者のお悩みに答え、生きる指針を示してくれる江原啓之さん。現在は熱海に在住し、ていねいな暮らしをしながら日々「生きる上で大切なこと」を発信し続けています。『婦人公論』のリニューアルにあたって始まった新連載「〈幸せぐせ〉を身に着けよう」。第10回は「病気の家族にどう接するか」です。 

Q 病気でネガティブな言動が多い家族に

A)心に寄り添って親身にサポートする

B)本人がなんとかするしかないから見守る

相手が本当に望むのは何?

病気をすると気弱になり、ネガティブな発言をするのも仕方ありません。そんな状態の家族に対して、どう接するのが幸せへの道でしょうか。ポイントは、「相手のためを思っての行動かどうか」。選択肢Aは、一見相手に優しく接しているように見えて、実は不幸ぐせです。一方、相手を突き放しているように見えるBが幸せぐせ。では、なぜBのほうが相手のためを思う行動なのか、解説していきましょう。

苦痛が続いたり、治療が長引いたりすれば、どんなに強い人でも落ち込んだり、投げやりな言葉を吐きたくなるものです。平たく言えば、それは一時的なグチ。病気であろうが、なかろうが、ネガティブな感情のときは誰かにグチを言いたくなる。その《誰か》がすべきことは、傾聴です。

グチる人はたいてい長々と不満や不安を口にします。それでも最終的に「弱音吐いちゃったね」「がんばらなくちゃ」などと、自分で落としどころを見つけていくものです。相手が望むのは、「うんうん」と聞いてくれる人がいること。ですから聞き役の人は、良い解決策をアドバイスしようとか、ポジティブになるよう元気づけようとか考える必要はないのです。ここで「元気づけなくていいの?」と思った方、相手はあなたに「元気づけてくれ」と頼みましたか? 「してほしい」というオーダーがないのに、先回りをしてサポートするのは的外れになりがち。しかも、「何かしてあげよう」という気持ちすら相手には重く感じられ、ときには迷惑であることが少なくないのです。