ノバルティスファーマのメディアセミナーに講師として登壇した谷本道哉先生(左)と下澤達雄先生(右)〈写真提供◎ノバルティス ファーマ株式会社、大塚製薬株式会社 共催 高血圧メディアセミナー 以下同〉
2022年10月29日は「世界脳卒中デー」です。2006年10月、南アフリカ共和国ケープタウンで開催された脳卒中国際会議で、国際脳卒中学会と世界脳卒中連盟が統合し、世界唯一の組織、世界脳卒中機構(World Stroke Organization, WSO)が結成されたことを記念し、毎年10月29日が「世界脳卒中デー(World Stroke Day)」に定められました。
脳卒中に深く関係する「高血圧」について、循環器の専門医・下澤達雄先生と、NHKでの出演や「筋肉体操」の著書などでお馴染みの谷本道哉先生に話を聞きました。

高血圧への対処には食事、運動、治療の3つが必要

2022年10月に行われたノバルティスファーマのメディアセミナーでは、循環器領域の専門医である下澤達雄先生(国際医療福祉大学 医学部臨床検査医学 教授)とNHK『みんなで筋肉体操』等でお馴染みの谷本道哉先生(順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科 先任准教授)の2人が講師として、高血圧治療の最新事情、高血圧と運動の関係を語りました。

下澤先生:高血圧治療は大きく進歩してきましたが、4300万人と推計される患者さんのうち、約3000万人がコントロールできていないのが現状と言われています。

適切な血圧コントロールを行うことが、脳卒中や冠動脈疾患による死亡者を減らすことにつながるのに、血圧が高くても下げるための治療がきちんとできていない、ということが課題になっています。

医療者側、患者さん側、それぞれに要因がありますが、患者さんに、血圧の値だけでなく、脈圧(上と下の差)、心拍数も合わせてみることが重要であることを伝えることが必要です。そのことが、自分の身体を知って前向きに治療に取り組むことにつながるのではないかと考えています。

高血圧対策としては、食事、運動、治療のどれか一つでは難しいんです。3つを組み合わせ、上手く日常生活に取り入れながら取り組むことで続けられますし、相乗効果、相加効果をもたらすことになるでしょう。

継続するためには、運動も長く続けられるものが良いですね。谷本先生のような方に協力をいただきながら、患者さんへの情報提供には一層注力していきたいと思っています。

運動を実践する谷本道哉先生(左)下澤達雄先生(右)