しっかり呼吸をしながら運動することが大事

谷本先生: 治療中の人は主治医と相談いただいた上で、運動するときに気を付けることがいくつかあります。

筋トレは、いきむようなものが効いてくるんですが、いきむと運動中の血圧が上がるので、高血圧の人は絶対に息を止めないで、しっかり呼吸をしながら取り組んでください。

もうひとつ、姿勢と血圧は大きく関係することから、立った状態など、心臓の位置が高い姿勢でできるような種目を選んでいただきたい。寝転んでの運動は血圧が上がりやすいので避けてください。立位で行うスクワットなどがお勧めですね。

腹筋も、寝転んで頭を上げてくる従来の方法で行うよりも、椅子に座って足を上げるという方法のほうが安全。高重量でがんがんやる筋トレではなく、軽めにして一つひとつの運動を丁寧にゆっくりやって、しっかり筋肉に効かせることが大事なんです。

また、血圧はできれば毎日測って、血圧そのものだけでなく、大動脈の硬さを反映する上と下の差(脈圧)を見るようにしてください(脈圧が大きいのは、動脈硬化のリスクが高い)。差が50以下になるように目標を立てていくといいでしょう。そういう目標値があると習慣化しやすくなります。

運動を実践する谷本道哉先生(左)下澤達雄先生(右)