3ヵ月に1度は歯科医院で歯垢除去を

Q3)歯周病や口臭は年を重ねれば仕方ない。あきらめるべき?

歯周病は年齢に関係なく多くの人がなる口腔疾患で、子どもでも発症します。高齢者との違いは、症状が「進行するかどうか」です。

そもそも歯周病とは、歯肉炎と歯周炎の総称で、プラークに含まれる歯周病菌により発症します。歯茎に炎症が起きる歯肉炎から始まり、徐々に歯を支える骨(歯槽骨)が溶け、歯のグラつきが起こる歯周炎へと進行。重度の歯周炎になると、膿などが出てくることも。また、歯周病菌は口臭の原因になるだけでなく、血管を通じて全身に回り、さまざまな病気の原因にもなりかねません。

発症を防ぐために、まずは基本である歯磨きが正しく行えているか確認してみましょう。歯を磨くタイミングは、「食後すぐ」がルールです。朝起きたら、まずは口をすすぎましょう。雑菌が増えた口腔内を清潔にするためです。そして、朝食後に歯を磨く。外出先でもできるだけ歯磨きをしましょう。夜は寝る直前に歯磨きをするという人もいますが、夕食後すぐ歯磨きして、その後は何も食べないのがベストです。歯を磨く前には、歯間ブラシを使うこと。歯の隙間サイズに合う太さのものを選んでください。

ここまでしても、日々の歯磨きで歯垢を完璧に除去するのは難しいのが現実です。「健口」を守るために3ヵ月に1度は歯科医院で歯垢除去を。歯周病は自然に治ることはありません。放っておくと進行するだけ。歯を磨いたら血が出た! は歯周病のサインです。すぐ歯科医院を受診してください。

 

Q4)舌のケアやマウスウォッシュは必要?

これまで舌のケアやマウスウォッシュを使う習慣がなかった人は、これを機にぜひ始めてください。舌は年齢を重ねるほど、舌苔が増えていきます。自分の舌を鏡で見ると、茶色や白っぽくなっていませんか? それは舌苔が付着している証し。舌苔は菌の塊で、食事のたびに菌を飲み込んでいることになります。

舌苔に覆われた舌は味を感じにくいため、ついつい味付けを濃くしてしまうリスクが。健康面を考えても、舌苔の除去は大切です。舌専用のブラシで奥から手前にやさしく掻き出すだけでOK。舌は傷つきやすいので強く力を入れないこと。

マウスウォッシュは抗菌作用や炎症を抑える効果があります。歯磨き後の仕上げに使ってください。しかし、日本では使用率が低く、20%程度しか普及していないのが残念です。歯間ブラシ、歯磨剤+歯ブラシ、舌ケアアイテム、マウスウォッシュの4つを使えば、口腔ケアのフルメニューとなります。ぜひ習慣にしてみてください。