(写真提供:photoAC)
放送作家・コラムニストとして、数多くの著名人にインタビューし、コメンテーターとして活躍している山田美保子さん。小さいころは引っ込み思案で話すことも苦手だったそう。そんな山田さんを変えたのは何だったのか。さまざまな出会いや、出会った人のアドバイスを通じて、今の自分があるという山田さんが、自分が楽になるコミュニケーション術を紹介する新連載。第24回は「氷川きよしさんのこと」です。

「きよしくん」から「Kiina」へ

「NHK紅白歌合戦、レコード大賞、今年も出させていただくことが決定しました! 皆さまのおかげです! 本当にありがとうございます! 忙しい毎日に感謝しています
by Kiina」

真っ白なシャツとパンツ姿で写真撮影に臨むオフショットと共に、インスタグラムで、こう綴ったのは氷川きよしさんです。

氷川さんが年内で歌手活動を一旦休止することを御存知の方は多いでしょう。

年末の賞レースや音楽祭にデビュー以来、23年連続で出演。今年も、12月30日の『第64回 輝く!日本レコード大賞』では「甲州路」が「優秀作品賞」にノミネートされ、翌31日の『第73回NHK紅白歌合戦』では、紅組、白組の枠を超えた「氷川きよし~新たなるステージへ~」という特別企画に出演することが発表されました。

「きよしくん」から「Kiina」へ。現在の氷川きよしさんの姿や考え方を象徴するような企画であり、昨年あたりから、「紅」「白」という分け方について「いかがなものか」という意見も数多く出ているなかでのこの企画。時代がKiinaに追いついたと言っても過言ではないように思います。

2000年2月2日、『箱根八里の半次郎』でデビューした氷川さんは、ビートたけしさんによる命名や、抜群の歌唱力とルックスで、「演歌の貴公子」「歌謡界のプリンス」と呼ばれることに。J-POPに押され、低迷していた演歌界を活気づけ、歌謡界の大先輩たちに再びスポットライトを当てることにも貢献しました。

翌2001年に発売した2枚目のシングル「大井追っかけ音次郎」で、総合チャートベストテン入りを果たして以来、「氷川きよし」名義のシングルはこれまで全曲、ベストテン入り。演歌界でこの記録を保持しているのは、もちろん氷川さん、ただ一人です。