専属司会者・西寄ひがしさんの尽力

さらに御縁は続き、氷川さんが初めて担当した冠ラジオ番組『氷川きよし節』(文化放送)は、同局の寺島尚正アナウンサーが聞き手。寺島アナと私は一緒に冠番組を担当していたこともありましたし、『氷川きよし節』は当初、私が出演していた番組の中に入っている帯番組でした。

月曜から金曜まで、さまざまな”声の企画“に挑戦した氷川さんは、優しい人柄の寺島アナとの相性の良さとも相まって、どんどんトーク力をアップしていきました。『旅の香り~』で、なかなか言葉がうまく出てこなかったり、いわゆる”天然“トークがウリだったりした氷川さんが、自分の言葉で自身を表現していく様子に、日々、感動していたことを思い出します。

トークといえば、ファンの皆さんにはおなじみのコンサートの専属司会者、西寄ひがしさんの尽力も忘れられません。コンサート中、自身でデザインも担当する衣装を6~7回、着替えることもある氷川さんは、ステージにいらっしゃらない時間も多いのです。

(写真提供:photoAC)

そんなとき西寄さんは、これまで氷川さんが獲得した音楽賞のタイトルや、1年間、どの地方の何という会場でコンサートをしたか。さらには、これまで歌ってきた曲のタイトルなどを丸暗記して、ステージ上から伝えてくださるのです。

それはもう本当に圧巻で、客席から大拍手が起こるだけでなく、氷川さんの大活躍を思い浮かべながら涙するファンの皆さんもいらっしゃるほど。

自身がステージ袖にハケても、西寄さんがステージを温め、守り、ファンの皆さんと一体化してくれている……。こんなに信頼のおける方が氷川さんの傍に居て下さるなら、何があっても安心だと思っていました。