誕生日のケーキのために勝て!
中日のNHKテレビ正面解説をするはずだった北の富士さんが、体調不良で休みだったのも心配である。
中日に前頭12枚目・千代大龍が引退を発表した。千代大龍は九重部屋の力士で、親方は元大関・千代大海。親方だった元横綱・千代の富士が亡くなり九重部屋を継承した。その千代の富士の親方だったのが北の富士さん。九重部屋は、元横綱・千代の山が1967年2月に大関・北の冨士(現在の北の富士さん)ら10名の力士を連れて出羽海一門から独立(当時は破門)して高砂一門になった部屋だ。相撲史のドラマを調べるとやめられない。
中日の正面解説は、玉ノ井親方(元大関・栃東)に変わった。玉ノ井親方は「自分はいつも13日目からが大切と言っている」と話していたが、誰が勝ちぬくか予想がつかない。
6日目に、大相撲史上初となる幕内優勝力士同士の十両の土俵での対戦があった。
十両12枚目・徳勝龍と新型コロナウイルスのガイドライン違反での休場で大関を陥落した幕下4枚目・朝乃山の対戦である。朝乃山は548日ぶりに大銀杏を結って登場。十両で相撲を取る時は、廻しは幕下の黒廻しだが、大銀杏を結うのが決まりなのだ。朝乃山は徳勝龍を圧倒的な強さで押し出した。幕下は7番相撲を取り、4勝すれば勝ち越しなので、この日に勝ち越しを決めた。
先場所優勝し、連覇するかと思った小結・玉鷲は1勝7敗。玉鷲は4日目に38歳の誕生日を迎え、その日だけ勝った。NHKテレビの実況の戸部眞輔アナウンサーが、「玉鷲は今日誕生日なんです」と言ったとたんに、私は「誕生日のケーキ」というワードが頭に浮かんだ。ずっと、専門店のケーキは高価だから我慢している。その我慢が限界に来ているため、玉鷲が小結・大栄翔と戦っている時に、「誕生日のケーキのために勝て!」と叫んだ。