「なにに心を惹かれているのか」を探る機会に

以前よく着物を着ていた頃、友達といろんな絵画や着物、茶器を観るため、週末にはよく美術館、博物館めぐりをしていたものです。

紫苑「大好きな着物を着てイベントに登壇した際の一枚」(写真提供:著者)

美術館では、どんなに素敵!と思っても、それを自分のものにすることはできません。ひたすら、目の前にある絵画や着物、茶器などに目を凝らし、どこがどう素晴らしいのか、なぜ心を動かされるのか、味わいながら心に焼き付けるだけ。

そして「いいものを見せていただいた」と満足して、豊かな気持ちで帰路についたものです。

それなのに「お金さえあれば買える」ものを目にしてしまえば、いきなり気持ちはざわめき始めます。もし買えなければ、そんな自分をふがいなく感じたり、もんもんとした気持ちで家路につく。

それが変わったのは節約、プチプラ生活を始めてから。

基本姿勢を「買わない」と決めているために、街で見かけた商品や行きかう人が身につけているファッションアイテム、さらにはショーウインドウなど、美しいと感じるものを心のままに楽しみ、実生活に生かすようにまでなりました。

もしショーウインドウでときめくものを見かけたときは、なぜそれに自分が惹かれるのかを考えます。色? デザイン? 形? どこがどう素敵なんだろう。撮影が許されているものであれば、スマホで写真を撮って、後で検証することもあります。

とにかく「素敵」なものを脳裏にしっかり焼き付けながら、そのポイントを見出し、自分の「好き傾向」を探るようになりました。