「買えない」から「買わない」に切り替えて
私自身はこういう華やかな時期にこそ、お金を使わないでセンスを磨く絶好のチャンスだと考えています。
お金をあまり使わない生活をするようになって、ある意味で高級デパートやブティックは、「美術館」に近いイメージで捉えるようになりました。それもゴージャスでありながら、直接手で触れたり、しようと思えば試着までできる、消費者ペースで楽しめる美術館です。
高級なショップには、ちょっとやそっとのお金では手も足も出ないブランド品やため息の出るような靴やバッグに洋服、見間違いかと思うほどゼロの数が多い品物が並んでいます。
小金を多少なりとも持っていた頃には、「欲しい」という気持ちと「入ってしまえばお金を使ってしまうかも」という用心深さの間に引き裂かれるそういったお店は、疲れる場所の一つでした。
ところが、ある時から気後れして入りにくかったショップにも入り、眺めることができるようになりました。
その理由は至ってシンプル。基本姿勢を「買えない」から「買わない」に切り替えたからです。
私のような「お金を使わない」プチプラ生活に入れば葛藤も迷いも生まれません。高級な商品を見ても、ほとんどの場合、ただ目で楽しむ「眼福」の機会になるので、以前よりも落ち着いてよいものを見て、その場を楽しむことができるようになったのです。