年代別に考える年金・お金の問題
年金生活を安泰なものにするためには、節約してお金の浪費を減らすのも一つの手段。しかし、「節約」に縛られることで生活の質を落とさざるを得なくなったら、それはそれで辛いものですよね。では節約という手段に頼りすぎず、出費を減らすにはどうすればいいのでしょう?
どんなものにいくらお金がかかるのかについては、年代ごとに異なってくるもの。まず、今まさに年金問題に直面しているであろう60代、70代の人のお金との付き合い方を考えてみましょう。
60代、70代は、退職などで安定した収入を得られなくなり、お金に関する悩みが出てくる頃。特に60歳で仕事を辞める人は、公的年金をもらう65歳までの5年間のやりくりを考えておく必要があります。
また、70代からは「資産を増やす」方針から、「資産を維持する」方向へシフトしたいもの。
退職後は、お金をたくさん増やそうとするのではなく、安定した生活を送るために無理のないペースで貯蓄をしていくというのが、60代、70代の人におすすめの方針といえます。
一方20代、30代では結婚、引っ越し、転職、子どもの誕生と子育て、住宅購入などといったライフイベントを、40代、50代では近付く定年や子どもの進学・就職に伴う出費などを意識した貯蓄がそれぞれ重要となってきます。
まず20代、30代の人は、会社員か個人事業主かで望ましい貯蓄方法が変わってきます。会社員の場合は勤務先が従業員向けに用意している制度を把握しておき、預貯金と相談しながら投資をしてみるのがおすすめ。
個人事業主の場合は、社会保障からの給付が少ないことなどを考慮し、預貯金を十分に確保しつつ、iDeCoのようなリスクの低い資産運用を検討しましょう。
いずれにしても、この年代は老後までまだまだ時間があるため、長い目で見た貯蓄を考えたいものです。
40代に入ると、一般的には仕事の収入が多くなる一方で、住宅ローンの返済や子どもの教育費などの問題が出てきます。早々に老後を見据えて、今後の家計運営について考えておくと安心です。そして50代になると、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」に将来受け取る年金見込額が記載されるようになり、いよいよ老後が現実的になってきます。
40代や50代の人は、迫りつつある老後を考え、無理のない堅実な貯蓄をするのが望ましいでしょう。