人に打ち明けられない不調や悩み。日々医療は進歩し、治療法が開発されていることも。大切な自身や家族の健康は、ぜひ医師に相談してみてください。女性に多い病気を中心に、症状、原因、治療、予防の4つの観点でご紹介します。第18回は、「狭心症」です。
(取材・文/読売新聞 渡辺勝敏)
この記事の目次
〈症状〉胸だけでなくあごや胃が痛む場合も
〈原因〉何らかの原因で血流が低下して起こる 〈治療〉手術は2種類。経験豊富な医師を選んで 〈予防〉血圧やコレステロールなど数値を管理する

〈症状〉胸だけでなくあごや胃が痛む場合も

階段や坂道を上るなどして心拍数や血圧が上がった時、胸に圧迫感や痛みを覚えるのが一般的な狭心症の発作です。動作に伴うので「労作性狭心症」と呼びます。ただし、症状は人それぞれ。下あごや歯が痛む。肩や背中が張る。左腕が痛い。胃が痛い。どこが痛いのか明確に示しにくいのも特徴です。指先で「ここが痛い」と胸周辺の表面の一点を示せるのは肋間神経痛など心臓以外の痛みでしょう。心臓の痛みは表面ではなく内部に感じます。階段を10段上るといつも症状が出る、というように同じ状況で再現されるのも特徴的。気温の低い冬は特に起こりやすく、症状は数秒から5分ぐらい続きます。

安静時にも発作を起こすのが「冠攣縮性狭心症」。心臓の冠動脈が痙攣して血流が流れにくくなり症状が出ます。明け方に多く、胸の痛みで目覚めることも。長いものは20分ほど続きます。

冠動脈が詰まる心筋梗塞は、狭心症よりも激しい痛みなどが30分以上続きます。命にかかわりますので、迷わず救急車を呼びましょう。

 

狭心症の症状