前回「甲子園球児を目指し、高1で一人暮らしを始めた長男を襲ったコロナ禍。その時母はライザップのターンテーブルに…」はこちら
何かあっても走ってかけつけられない
ライザップのCM撮影中に大阪の長男が熱を出して電話してきたとき、私が撮影に入っている間もマネージャーが大阪の病院をくまなく検索し、一つだけ飛び込みで検査してくれる病院を探し当ててくれた。ありがとう。
なんかいろいろ「ありがとう」としか言いようがない感謝。
窮地に追い込まれながらもダイエット大成功~!!な歓喜の極みを表情にあらわし、なぜかターンテーブルでグルグル回るというシュールな経験は、もう二度と味わうことはないだろう。こういうときも「♪言葉にできない」って歌うのかな。いや…なんか違う。
本当ならライザップ生活の完了を祝って、久々の美酒をジャージャー浴びてもよさそうな場面だ。でも家に戻ってから今度は、発熱して検査に行った翔大の心配と、ハラハラの結果待ち。
実はその数日前、少し熱っぽいという翔大の元へ、遠隔で調べた業者に下宿のドアの外までPCR検査のための検体を取りに来てもらっていた。ところがその業者、午前0時を回って取りに来ようとしたり、怪しい外国人がカタコトの日本語で検体を持ち帰り、丸3日もかかった挙句、「限りなく陰性である可能性が高いに違いない」みたいな、どないやねん!?な結果をよこしてきたりした。
一人で心細く熱を出して唸っているところに、とんだ悪徳検査業者を送ってしまったことで、親としてはすっかり申し訳なさ満タンのワタシ。
その1日半後に病院から「陰性」の結果が出るまでに、発熱してからほぼ5日。もう体調も好転し始めていた。ひたすら家から出るな、と言われている時間。テレビもない日も当たらない、ストレッチのために体を広げられるスペースもない狭い部屋で、一体翔大は何をして過ごしていたんだろうか。ちなみにこのあと本当にコロナにかかったときには、こんな部屋で10日間も一人で過ごしていたのだ。
何があっても走ってかけつけていけないところに息子をやってしまった。
あらためてそう実感し、覚悟させられる思いだった。