本当はそう思っていなくたっていい

ただ、無視をするとまた面倒なことになるので、合いの手は必要です。そこで私がおすすめしているのが、「さしすせその法則」。「『さ』すがですね! 『し』らなかった! 『す』ごいですね! 『せ』っかくですから! 『そ』うなんですか!」のパターンを覚えておきましょう。

他人の言葉に傷つきやすかったり、コミュニケーションが不得手だったりという人でも、この5つの言葉でたいていの会話は乗り切れます。

たとえば、「この服、あなたにあげるわ」と、自分の趣味に合わないものをもらったときは、「せっかくですから」と言って受け取る。お礼を言う必要はないし、実際に身につけなくてもいい。

「さしすせそ」のいずれの言葉を言うときも、本当はそう思っていなくたっていいのです。感情を込めて言う必要はまったくなく、「ただ、音を出しているだけ」だと考えましょう。

心にもないことを言うなんて私には無理、と思うかもしれません。そこで必要となるのが女優力。ここはひとつ、女優になったつもりで演じましょう。その延長線上にあるのは、義実家における自分の居場所と、面倒な相手もうまくかわすことができる成熟した自分です。

姑が原因で夫の実家に帰りたくないのならば、とにかく周りを味方につける。特に大切なのは、夫との関係を見直すことです。日頃、夫に「ほらぁ」とか「またぁ」とか、責めるような言い方をしていませんか? 急に態度が変わると、夫も不審に思うでしょうが、まずはそういう口調だけでも改めましょう。これも、「さしすせその法則」と同じく、女優のつもりで(笑)。

そうして徐々に夫を味方につける。夫との関係が良好であれば、姑は嫁のことを悪く言いにくくなります。そして夫が姑との間に入ってくれれば、義理の家族とそれほど頻繁に顔を合わせる必要もなくなる。たとえ姑に何かイヤミを言われたとしても、夫がフォローしてくれるはず。

姑とのつきあいに必要なのは、我慢ではなく、自分が快適に過ごすための努力。そう思えば、女優にもなりきれると思うのですが、いかがでしょう。