日常の小さな変化を見逃さない

認知症は、最初にどんな症状が表れるかの個人差が大きく、認知機能の低下を自己判断するのは難しいもの。その場合、注目すべきは「変化」です。

たとえば、もの忘れや注意力散漫が頻繁に起こるようになったという、「頻度」の変化。

大事な約束をすっぽかして迷惑をかけた、通帳の保管場所が思い出せないなど、「程度」の変化。

もの忘れだけでなく、言葉が出ない、趣味や新しいことに意欲が湧かないといった「広がり」の変化。

そのような変化を見逃さず、専門医を受診することが大切です。認知症の早期発見に役立つ下記のチェックリストで確認してみてください。

 

認知症早期発見《12のチェックリスト》

自分や家族の言動で当てはまるものがないかチェックしましょう。
4個以上該当したら認知症の疑いがあります

□ いつも日にちを忘れてしまう(今日が何日かわからない)

□ 少し前のことをしばしば忘れてしまう(朝食を食べたことを忘れている、など)

□ 最近聞いた話を繰り返すことができない(映画のストーリーを説明できない、など)

□ 同じことを言うことがしばしばある

□ 特定の単語や言葉が出てこないことがしばしばある(使い慣れた言葉や固有名詞が出てこない)

□ 以前した話などを繰り返す(会うたびに、昔話などを繰り返しする)

□ 話の脈絡をすぐに失う(話があちこちに飛ぶ)

□ 答えた内容から「質問を理解していない」ことがわかる(話がかみ合わない)

□ 会話を理解するのが難しい(順序だてて説明できない)

□ 時間の観念がない(午前か午後かさえもわからない)

□ 話のつじつまを合わせようとする(間違いを指摘されると言いつくろおうとする)

□ 家族に依存する様子がある(困ったとき家族に頼ろうとする)


「初期認知症徴候観察リスト」(Hopman-Rock M, :Int J Geriatr Psychiatry. :2001Apr;16(4):406-14.)をもとに編集部で改編