内門先生おすすめ 認知症の進行を遅らせる4つのヒント
1. 質のいい睡眠が認知症予防に!
アミロイドβなど脳内の老廃物は、寝ている間に血管を通して脳の外に排出されます。夜ぐっすり眠ることは認知症予防に大変重要。規則正しい生活や運動習慣、寝室の環境を整えるなどの工夫で、質のいい睡眠を確保しましょう。
また睡眠時無呼吸症候群(SAS)は動脈硬化とも深く関係するため、血管性認知症のリスクも高めることに。症状が心配な人は睡眠外来など専門医の受診をおすすめします。
2. 腸内環境が脳のはたらきに作用する?
認知症予防で今、注目を集めているのが「脳腸相関」。近年の研究で、腸管内の細胞の状態やそこに棲む腸内細菌が、認知機能に影響を与えることが明らかに。アルツハイマー型認知症の人は腸内細菌の多様性が乏しく、乳酸菌やビフィズス菌が少ないといわれます。
ヨーグルトや乳酸菌飲料など善玉菌を増やす食品とともに、菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖をとるなど、腸内環境を整えましょう。
3. 口腔ケアで歯と脳の健康を保つ!
歯周病は、歯と歯ぐきのすき間に歯周病菌が入り込み繁殖することで発症します。この歯周病菌が歯ぐきから血管を通じて全身にまわると、糖尿病や誤嚥性肺炎、がんなどのほか、認知症を引き起こすこともわかってきました。
高齢になると、唾液が減ったり免疫力が低下することで、歯周病が悪化しやすくなります。毎日の歯磨きはもちろん、定期的に歯科を受診して口腔ケアを心がけてください。
4. 聴覚など五感は認知機能に影響大
65歳以上の3人に1人は難聴があるといわれます。難聴によりコミュニケーションが妨げられると、心理的にも社会的にも孤立を深めることに。中年期に難聴があると認知症リスクは約2倍というデータも。聞こえにくさを放置せず、早めに耳鼻科を受診し、補聴器を使うことも検討しましょう。
聴覚のほか、視覚・味覚・嗅覚・触覚の「五感」それぞれに心地いい刺激を与え、メンテナンスをすることも大切です。