お年寄りの困った行動は五感別に対処しよう

むやみにイライラしたり諦めてはいけません。少しの工夫で改善できることもあります。ここでは、五感別の対処方法を紹介します。

*****

●聴 覚●

Q. 人の話を全然聞いていないのはなぜ?

A.
高齢者の耳には、高音は聞きづらく低音は比較的聞きやすいのです。女性の高い声などが聞きとりにくいだけで、聞いていないのではありません。正面から低めの声で、わかりやすい言葉で話してあげましょう。

(解決ポイント!)顔を見ながら低いトーンで話しかけよう

 

*****

●視 覚●

Q. どうしてこんなに部屋が散らかってるの?

 

A. 年齢とともに、はっきりとは見えづらくなり、視野が狭くなります。写真を撮って見せてあげると家全体がよく見えるので、「今の家を撮っておこう」と提案しつつ、さりげなく片づけのきっかけにしてみては

(解決ポイント!)写真を撮って現状を認識してもらう

 

*****

【味 覚】

Q. おかずに醬油をドボドボかけないで!

A. 塩味を感知する能力は衰えやすく、若い頃の12倍の塩味でないと同じ味に感じないという米国の調査も。出汁やスパイスを活用。また、極端に薄味のものを1品いれると、他の料理の塩味を感じやすくなります

(解決ポイント!)塩味を感じやすくする調理の工夫を

 

*****

【触 覚】

Q. 服や床がシミだらけなのはナゼ?

A. 筋力や握力の低下だけではなく、皮膚が乾燥することで、ものを握っている感覚が鈍くなり、グラスやお皿を落としてしまうのです。食器類をざらざらした質感のものに替えたり、保湿クリームを塗るのも効果的。

(解決ポイント!)クリームで手を保湿して、乾燥によるすべり防止を

 

*****

【嗅 覚】

Q. 何か変なニオイがするんだけど……

A. 鼻の機能が弱まるため、腐ったものや自分の体臭に気づかなくなります。嗅覚は鍛えることができるので、普段から食ベ物の匂いや、アロマを積極的に嗅ぐようにすすめて、衰えを防ぐよう促しましょう

(解決ポイント!)食べ物や花の香りを嗅いでトレーニング