愛娘のかおるさんと(撮影・本社写真部)

 

「僕は、かおるに言われるまでは、『自分から返納する』なんて、頭の片隅にもなかったんだ。80歳を超えても、目も耳も問題ないし、自分ではまだまだ運転できると当時は思っていたから」

ザ・ドリフターズの高木ブーさんが自動車運転免許証を返納したのは2年前、84歳の時。当時はまだ返納者が少なかったこともあり、大きなニュースとなった。きっぱりと運転をやめた背景には、娘さんの一言があったという。本日発売の『婦人公論』8月9日号の特集「女が悩む実家の10大問題」内で、娘のかおるさんと当時を思い出し、語り合った。ブーさんは、かおるさん一家と二世帯同居中だ。

「お父さんが免許を返納する前の年の秋に、車をシャッターにぶつけたことがあったでしょう? 軽くぶつけただけだったけど、私はすごくショックを受けて。『もう免許を返すように言ったほうがいいのかも……』と心配になった」というかおるさん。

ブーさんも「でも、それが自分の衰えだとまでは思い至らなかったんだ。自分ではなかなか気づかないし認めにくいものなんだけど、年齢を重ねると、どうしたって判断力が鈍る。若い頃にはなかった、アクセルとブレーキを踏み間違える事故が多いのも、そういうことなんだと思うよ」と振り返る。

それでも、かおるさんが免許の返納を勧めた当初は、まだ「自分は大丈夫」と思っていたブーさん。ところが、潔くやめようと思った娘の指摘があった。自宅の前はスクールゾーン。多くの子どもたちが毎日通学している。もし列に誤って突っ込んだりしたら……。

「かおるに、『今までずっと子どもたちを笑顔にしてきたのに、人生の終わりに悲しませるようなことをしちゃいけない』と言われた時は、心の底からこたえた。そうだよなあ……と思って。僕はお笑いの人間だからさ、最後まで人を楽しませ続けたい」

『婦人公論』2019年8月9日号

ブーさんは、有効期限がまだ半年も残っている免許証を警察署に返納することにした。

最近、高齢者の運転による交通事故が話題になっている。老親に「免許を返納したら?」と言い出しにくい家庭に向けてアドバイスを求めると、地域の環境によると言いながらも、答えてくれた。

「僕だったら、友達に『俺を見てみろ。免許は返納したけど、なけりゃないなりに、楽しくやってるぞ』と言うけどね(笑)。『運転しちゃダメだよ』って言うと相手もカチンとくるから、『そんなもんかねえ……』と思わせる程度の軽い言い方がいいと思う」

そのほか、免許返納後の生活や孫や娘の夫も含めた家族との付き合い方についても、本誌では語っている。