新鮮でおいしいものに囲まれた生活

60代になってからの二拠点生活は、不安よりワクワク感がありました。一番大きく変わったことと言えば、食生活。氷見は漁師町なので、とにかく魚介類が新鮮で安く手に入る。地元の方に「あそこのスーパーの魚がいいよ」「この魚はこう調理するとおいしい」などと教えていただいたりして。

いままで見たことのない魚や新鮮な野菜が手に入るのも、地方暮らしならではの贅沢です。東京からお客様が来るときには、お料理自慢の民宿を紹介したり、夫が腕を振るってくれたりします。

なかでも私が好きなのは、イカ。スルメイカ、ヤリイカ、アオリイカなど、季節ごとにさまざまなイカを堪能しています。獲れたてのものは身の色が違いますし、ものすごくおいしい。普通のスーパーでも、たっぷり盛られたゲソが1パック100円で売っているのですからたまりません。大喜びで買って、もりもり食べています。(笑)

私が不在のとき、夫は自炊。最近は地元の魚を使った料理にハマっているようです。「今日はアクアパッツァを作ったよ」などとよく連絡してくるんですよ。彼はジャーナリスト時代に一人暮らしが長かったので、家事もお手のもの。自立した人で本当に良かったです。

おかげで食費や生活費は確実に安くあがるようになりました。生活は二拠点になってしまいましたが、都会に比べて、多くを求めずとも豊かに暮らせると感じました。

氷見市から夫に大切なお役目を頂戴したことをきっかけに、私も文化の違う地域で新しい経験ができるのは本当にありがたいことだと感謝しています。氷見の家は、海のそばということもあって、景色が本当にきれい。夕暮れどき、沈む夕陽をうっとりと眺めながらの散歩を楽しんでいます。