「寂しさはもちろんありますが、そういう年齢になったということですね。」

物を捨てる際に参考にしたのは、近藤麻理恵さんの著書『人生がときめく片づけの魔法』のメソッド。「ときめき」という言葉に導かれて大量の物を処分したため、近所に住む妹からは「美沙子ちゃんの家って何もないね。これなら死んでも困ることはないだろうけど、そんなに捨ててどうするの?」と呆れられています。(笑)

一方で、どれだけ断捨離しても手放せないものもあって。たとえば、結婚のお祝いに料理の先生からいただいた台所用具一式。そのセットにはお饅頭を蒸すせいろがあるのですが、2~3回しか使っていないんです。それでも先生の思いがこもっているものなので捨てられません。

中学生の頃に読んでいたマンガも捨てられないですね。『週刊セブンティーン』で連載なさっていた津雲むつみさんの大ファンで、彼女が描くカップルに憧れていました(笑)。当時のコミックスは、いまも大切にとってあります。

そういえば、処分を最後まで悩んだのが、知り合いから分けてもらったぬか床。20年近く大事に育ててきましたが、残念ながらひとつかみを残して処分しました。かき混ぜるたびに家中にものすごい香りが広がり、家族から苦情が出るほどになっていたので。いまは冷蔵庫で保管できる、新たなぬか床を愛用しています。

ずっと気にはなっていたものの手をつけられなかった、横浜の家のメンテナンスもしました。人も呼べないくらい傷んでいたフローリングの床をリフォームし、台風が来たら外れそうだった雨どいを修理。タワシでこすっても取れなかった外壁の汚れも、高圧洗浄機でガーッときれいにしました。おかげで家中スッキリです。