まったく変わったアニソンライブ

ステージから見える風景が「変わった」と強く感じたのは、97年の「ロボネイション」からです。

その頃、アニキと堀江さんとMIO(現・MIQ)、そして俺という4人のアニソンシンガーで、今の「スパロボ」(「スーパーロボット魂」。年に一回開催されるロボットアニメソングに特化したアニソンライブ)につながるライブを旗揚げしました。

それまでのように、レコード会社や番組で縦割りにするのではなく、横断的にロボットアニメの歌を歌うライブです。声優さんが出演することもなく、俺たち4人が自分の担当の歌を生バンドで歌い続ける。アニソンシンガーによる、アニソンだけに特化した「純度の高い」ライブは、初めてだったのではないでしょうか。会場も着席スタイルではなく、大型ライブハウスである赤坂BLITZでのスタンディング形式。そこに、2000人を超えるお客さんが詰めかけ、拳を突き上げ、熱狂しました。アニソンのライブが「ロック」するようになったのはここからだったと思います。

会場の熱気に乗せられて、俺たちもノリノリでした。アニキの「マジンガーZ」なんて、「ゼーーット」が「ゼーーーーーーーット」くらいまで伸びていましたね。

いわゆる「オタク」と呼ばれるコアなアニメファンにとどまらず、純粋にアニメの主題歌を音楽として楽しみたいという若いお客さんも、このライブから一気に増えました。

ここからライブは、現在の「AJF(アニメジャパンフェス)」や「スーパー戦隊“魂”」など一連のアニソンライブへとつながっていきます。さらに、このスタイルの延長上に、8万人超を動員する「アニメロサマーライブ」なども生まれてきたのです。