子どもの頃から、自己中心的な母が大の苦手だった(写真提供:photo AC)
人生後半を見据えたら、今後不要なもの、大切なものに気づくことができた。人間関係や心配事を手放した先にあったものとは。ツグミさん(57歳・医療事務)は、子どもの頃から大の苦手だった母親との縁をついに切ったそうで――。

母と絶縁したら出費が減った

モノを減らすのではなく、人間関係をスッキリさせた人もいる。ツグミさん(57歳・医療事務)が断ったのは、実の母親との縁だ。

「子どもの頃から、自己中心的な母が大の苦手でした。専業主婦の母は、機嫌が悪いと口を利かなかったり泣き出したりと、すぐ態度に出す。その姿を目の当たりにするたび、心がどんよりしたものです」

鮮明に覚えているのは、高校受験に向けて勉強中の出来事。ツグミさんの部屋を訪れた母親が、突然、「パパと離婚したいの。ツグミが『パパの面倒は私がみるから、ママと離婚してあげて』って、お願いしてくれない?」とすがってきたのだ。

驚きの物言いに、「離婚するのは勝手だけど、私を頼らないで!」と一喝するツグミさんの前で母親は泣き崩れた。それ以来、一刻も早く母親と離れることが、ツグミさんの目標になった。

大学進学と同時に一人暮らしを始めたツグミさんだが、揉めるのが面倒で、母親を完全には切り捨てられずにいた。地元の友人と会うため休暇にはときどき実家に帰省。結婚、出産後も時折、帰ってはいた。