同性間の肉体関係も不貞行為にあたるとする裁判例が登場(写真提供:photoAC)

同性同士の性行為は不貞行為とみなされるのか

相手の性別もしばしば焦点となる。

従来、民法では、同性同士の性行為を不貞行為とはみなさなかった。たしかに1972年の裁判例では、配偶者が同性と性行為をしていることから離婚を請求し、離婚が認められている6 *

ただし、これは、同性間の性行為が不貞にあたる(民法第770条第1項第1号)から離婚が認められたわけではなく、第5号「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」が適用されたと考えられている。この事例では、「自分が同性愛者であるという重要な情報を、夫が打ち明けてくれなかったから、結婚生活を続けられない」という趣旨である。

ただ近年では、こうした考え方は変わってきている。

名古屋地裁の2017年9月15日判決では、「同性間の肉体関係が不貞行為に該当するかはともかくとしても(中略)婚姻関係における平穏を害し、婚姻関係を破たんさせる原因となる行為であることは明らかであるから、同性の者であっても既婚者であることを知りながら肉体関係を有することは、社会的相当性を逸脱した違法な行為であって不法行為と評価すべきである」としている。

この他にも、同性間の肉体関係も不貞行為にあたるとする裁判例が登場している7 *