経済ジャーナリストの荻原博子さんが、お金に関するお得な情報をわかりやすく解説する新連載「トクする!荻原博子のマネーNEWS」。今回は「どうする?高騰する電気代」です(イラスト:さかがわ成美)
どうする?高騰する電気代
電気代の高騰が止まりません。
大手電力会社は、規制料金に基づいて燃料費の上昇分を電気料金に転嫁しています。この規制料金には上限がありますが、燃料費の高騰で上限を超えてしまったために、電力各社が新たに規制料金の引き上げを経済産業省に申請しました。
値上げ幅は、東北電力が32.94%、中国電力が31.33%、北陸電力が45.84%、四国電力が28.08%、沖縄電力が43.81%で、いずれも2023年4月からの実施を予定しています。
これに続いて、東京電力ホールディングスも値上げの方針を示していて、春以降、大幅な電気料金の値上がりは避けられなくなりそうです。
こうしたなかで期待したいのが、岸田首相肝いりの政府の支援策。23年1月から9月まで、電力会社に補助金を出して高騰する電気料金の負担を軽減するというもの。1キロワット時あたり7円の負担軽減になると言われています。標準家庭の場合だと、これで月2000円程度は料金が安くなりそうです。
ただし、この政策で電気代が下がるのかといえば、そういうわけにはいきそうにありません。たとえば、23年4月から標準的な家庭で電気代が月2717円上がる東北電力の場合、政府の補助金で軽減される額は1820円なので、差し引くと897円の実質値上げということになります。