祖母や両親の大きな愛情に包まれて
眞秀さんの歌舞伎の資質をどう評価するか?との問いに、菊五郎さんは「今度の襲名も、立ち役と女形両方やらせようと思います。わたくしも通ってきた道、やってみないとわからないこと」と、菊之助さんは「1月も一緒に出ていたが、舞台を楽しんでいるのが体から出ているので、稽古は厳しくても楽しさを忘れず進んでほしい」と答えた。
初代尾上眞秀を名乗ることになった経緯については、菊五郎さんが「いろいろ名前は考えたんです。菊何とかとか…でも、当人が一番売れてる眞秀を使いたいというので、出発することになりました」と経緯を語った。
「ひーまは千秋楽に面白いこととかする、菊之助さんはナウシカとかスーパー歌舞伎とかずっとやってるところがいい。尊敬しています」と語る眞秀さん。襲名はばあば(編集部注・女優の富士純子さん)の家にいたときに聞いたという。記者が「ほかの子役さんのほとんどが楽屋にお父さんがいる。ご家族がいなくて寂しいと思うことはありませんか?」の問いには「そんなことはないです」と即答。偉大な祖父と叔父、そして祖母や両親の大きな愛情に包まれて歌舞伎役者の道を歩んでいるのがうかがえた。
NHK大河『どうする家康』では語りを務める寺島さんも、この日は母の顔に。小さい頃から眞秀さんを見てきて、どんなふうに成長を感じているか?と聞かれると
「今日は私のほうが心配で…スピーチは大使と社長とご一緒するので100本ノックさせようと思いましたが、まったく無視して学校へ行きました。いい意味でも悪い意味でもがんこでポリシーがある子。結果ちゃんとスピーチできたので、今後はあまり言わないようにします」とほっとした様子を見せた。
歌舞伎座新開場十周年『團菊祭五月大歌舞伎』は、東京・歌舞伎座で、2023年5月2日から上演予定。