オーナーシップとパーパスの欠如

書店をみわたせば、教育や勉強に関する本が数多く出版されていることがわかります。

そしてその多くが、プログラミングやさまざまな思考法など「これからは**力が必要だ」と知識やスキルを増やす方法、または有名大学に合格した秘訣や勉強法、あるいは「こうなったのは先生が悪い」「文科省が悪い」「家庭でのしつけが悪い」といった責任論の3種に整理できるのではないでしょうか。

もちろん、親が「子どもをいい学校に入れたい」と思うのは当然のこと。しかし、その根底には、「あの学校に行けば大丈夫」「そこから、大きな会社に入れば安泰」といった思いがまだあるのではないでしょうか。

主体性や当事者意識が大事と言われているにも関わらず、そのような思いをもつことは厳しく言えば「人任せ」です。これは私が生徒たちに口うるさく言っている言葉を使うと、「オーナーシップとパーパスの欠如」に相違ありません。

オーナーシップとは、どんなことでも、他人事にはしないで、自分のこととして考え、行動し、それに責任をもつような姿勢のこと。そして、パーパスとは「存在意義」や「使命」「天命」と訳される言葉です。

パーパスとは(図:『東大よりも世界に近い学校』より)

私は、授業でも学校行事でも、不満があれば自分たちで変えなさいと、生徒に言い続けています。ただし、批判や悪口で終わっては何も変わりません。生徒には「文句があるならプランをもってきなさい」と言っています。

授業が面白くないというなら、どうすれば面白くなるのか、生徒がプランを提出する。プランが出てきたら、私がそれを先生に橋渡しします。