大学入学共通テストへの移行に受験の激化、さらに部活やブラック校則……。日本の学校や教育は「転換点」にあると長く言われ続けてきました。一方、学校説明会にのべ1万人が集まるとも言われる千代田国際中学校の日野田直彦校長は「日本の教育には良いところと悪いところが混在している」と話します。では今の教育に欠けているものとはいったい何か。そしてこれからを生きる子どもたちのために、大人ができることとは――。
教育現場は疲れ切っている
まず、最初に断っておきたいのですが、私は現状の学校や教育を批判したいのではありません。ミライを担う子どもたちのために「そもそも必要とされる力とは何か?」、どのような教育をめざし、何を加え、何を減らすのか、その道しるべが必要だと考えています。
それなのに「なぜ」「どのように」「何を」を考えないまま、アクティブラーニング、探究学習、国際バカロレア、ICT、DXなどの言葉が飛び交い、しかも、その第一人者が現れては消えていく…。
そんな現状に教育現場は疲れ切っているのではないでしょうか。
日本をよりよくするには「教育」の充実が不可欠です。実際、ミライを担う子どもたちに必要と思われるものの多くは、「教育」を通じてしか、身につけてもらうことができないのです。