生徒自らがプレゼンを行う学校説明会

千代田国際中学校の学校説明会では、生徒たち自ら、学校の魅力についてプレゼンをしています。これも、ある生徒の一言によって変わったことの一つです。

ある日、学校説明会を見学した生徒が、「こんな説明会では、学校の魅力が伝わらないから、生徒は集まらないんじゃないか」「話がワンパターンだから飽きる」と言い出しました。

そこで私は、「それなら、自分たちで話してみてはどうだろう。あえて自身や学校を傷つけるようなことだけ控えてくれれば、好きにしゃべっていい。ウソもつかなくていい。いいことも悪いことも全部言っていい」と伝え、プレゼンしてもらう時間を説明会に設けました。

『東大よりも世界に近い学校』(著:日野田直彦/TAC出版)

すると、こちらが伝えた通り、生徒たちは学校のいいことだけでなく悪いことも全部話してくれました。校則への不満や入学前にイメージしていたものとの違い、伝統にとらわれている、建物が古いといったネガティブな点についても、素直に伝えていました。

特に印象に残っているのは、学校への批判を話したあとで、「ツイッターと同じで、ネットでは悪口がどうしても目立つけれど、そんなに悪い学校じゃない」と自らの言葉で話していたある生徒の姿です。

私が校長という立場から話すよりもずっと、学校の真の姿が伝わったのではないでしょうか。