会社員としての自分と決別することの意味

ところが、具体的に考えるといろいろなことが気になり始めました。

『75歳からの生き方ノート』(著:楠木新/小学館)

誰を参列者として招待するか、当日の服装は白装束か、棺桶の中に自分も入るのか、遺影の写真はどこで撮るか、本物の僧侶を呼ぶかどうか、会場で流す音楽をどうするか? 自分の一生を示すビデオにどの写真を入れるのか? 

弔辞(ちょうじ)を誰に読んでもらうか、棺桶から飛び出した時のスピーチをどうするか、その時の服装はタキシードか、など。 

これらを検討するだけでも、新たな定年後の人生に移行するための一つの儀式になると実感しました。会社員としての自分ときちんと決別することは、今後の働き方や生き方につながっていくからです。

生前葬の効果としては、関係者へのお礼と、新たな生き方を充実させるという二つの側面があるといえそうです。