金大中大統領の秘策
1997年12月から2001年8月までIMFの監視下にあった韓国の経済回復の様子、復興への努力は、翌1998年2月に第15代大統領に就任した金大中(キム・デジュン)の政策に見ることができる。
新しい政府は、主権は「国民」に属すると強調し、「国民の政府」を提唱し、就任演説では、復興への秘策を明言した。*
尊敬して愛する国民の皆さん!
世界は、物質的な資源が経済発展の要素であった現在の工業社会から、無形の知識や情報が経済発展の原動力となる知識情報社会へと移行しているのです。情報革命は世界を一つの地球村に変え、国民経済から世界経済時代への移行をリードしています。
情報化時代とは、いつでも、どこでも、誰でも、簡単に、安価に情報を入手し、利用することができる時代です。これは、民主主義社会でなければできないことです。(中略)
新しい政権は、我々の世代が知識情報社会で主導的な役割を果たすことができるよう努力します。小学校からコンピュータを教え、大学入試では学生がコンピュータ科目を選択できるようにします。
私たちは情報大国の礎を築き、世界でパソコンを最もよく使う国をつくります。(中略)
私たちは、国民文化のグローバル化に焦点を当てなければなりません。伝統文化に込められた高い文化的価値を継承し、発展させていきます。
文化産業は21世紀の基幹産業です。観光産業、コンベンション産業、映像産業、文化的特産品など、無限の市場が待っている富の宝庫です。(後略)
(翻訳は著者による)
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彼は演説の中で、通貨危機を朝鮮戦争以来の最も深刻な国家的危機と表現した。それを克服するために、政治、経済、外交、北朝鮮との関係など、韓国の未来は国民と一緒に作っていくものだと明言したのだ。
次の時代は「知識情報社会」であり、「情報革命」を推進し、あわせて「文化的価値」を継承していかなければならない。
そこで「文化産業」は21世紀の基幹産業であり、富の宝庫であると訴えた。
今から25年前の1998年に、「知識情報社会」と「文化産業」を推進する国策が具体化されるべきだと宣言していたのだ。